安全への取り組み
環境保護と安全管理に積極的に取り組む内航タンカー
地球環境の保全は世界共通の課題です。とりわけ石油、液体化学製品を輸送している内航タンカーには、高い品質管理と安全確保が求められています。このた め、内航タンカーは、社会的使命である安全輸送を最重要課題に掲げ、ハード、ソフトの両面からその対策に積極的に取り組んでいます。
石油タンカーでは、IMO(国際海事機関/国連の専門機関)のルールに沿って重油・原油を運ぶ黒油船は、万一の座礁や衝突事故があっても積荷が海洋に流 出しないよう船底・側面を二重にするダブルハル(二重船穀)構造の船の建造を推進しています。最近では、揮発性の高いガソリンや灯油などを運ぶ白油船もダ ブルハル構造が増えています。
また、液体化学製品を運ぶケミカルタンカーでも同様に、積荷の品質に応じて厳しい順にタイプⅠ、タイプⅡ、タイプⅢの船型要件を定めています。
そして、万一海上事故が発生した場合、災害を出来る限り小さくするため、一般財団法人海上災害防止センタ-と契約し、防災活動ができる管理 体制を構築しています。内航タンカー業界では、多くの会社と運航船舶が任意で安全管理、品質、環境マネジメントの認証を取得しています。さらに、国土交通省が平成18年に定めた「運輸安全管理規程」を遵守するなど、環境保護、安全確保 に努めています。
また、運輸事業者の安全管理体制構築のため、運輸安全一括法が制定・施行され、同時に「運輸安全マネージメント制度」が導入されています。これにより、内航運送事業者は「安全管理規程」を作成した上、「安全統括管理者」を選任して、経営トップから現場まで一丸となった輸 送の安全への取り組み体制の構築を図っています。